コラム

柑橘でたどる、ぽん酢の日本地図。

図鑑に集めた70本を、原材料の柑橘ごとに地図に置いてみた。柚子は41本で全国区、かぼすは大分、シークワーサーは沖縄。そして3本に1本は、柑橘を何種類も合わせていた。

ぽん酢大好き。編集部 2026年11月4日

図鑑に、70本のぽん酢が並びました。楽天市場で手に入るものの中から、メーカーと産地がはっきりしているものを選んだ70本です。まだ全部は食べていません。食べていないのに書けることがあるとしたら、それは「どこの、何の柑橘か」です。そこで今回は、70本の原材料表示を読んで、柑橘ごとに日本地図に置いてみました。

そもそも、ぽん酢の「ポン」とは

ぽん酢の「ポン」は、オランダ語の「pons(ポンス)」から来たといわれています。柑橘の果汁を使った飲みものの名前で、江戸時代に長崎から入ってきた言葉です。やがて柑橘の搾り汁そのものを「ポンス」と呼ぶようになり、「酢」の字があてられて「ポン酢」、いまの「ぽん酢」になりました(語源には諸説あります)。

ですから本来のぽん酢は、柑橘の果汁のことです。醤油を合わせたものは、正しくは「ぽん酢醤油」。いま私たちが小皿に注いでいるのは、ほとんどがこちらです。図鑑にも、商品名に「ぽん酢しょうゆ」と書いてあるものが混ざっています。

70本の原材料を、読んでみた

柑橘本数つくっているメーカーの所在地(図鑑の範囲)
柚子41本高知・徳島・大阪・広島・東京など18都府県
すだち16本徳島・香川・広島・兵庫など8府県
だいだい14本福岡・山口・広島・和歌山・愛媛など9県
かぼす14本大分・福岡・広島・京都・千葉
シークワーサー6本沖縄(ほか千葉の1本)
ゆこう4本徳島・大阪・愛知
じゃばら2本和歌山(北山村)
そのほか5本レモン2本、直七・日向夏・夏みかん各1本
柑橘の種類の記載なし2本岩手・愛知
※ 図鑑に載せた70本を、販売ページの原材料表示に書かれた柑橘で数えたものです(2026年11月4日時点)。2種類以上の柑橘を使ったものは、それぞれに数えています。全国のぽん酢の割合ではありません。

柚子は全国区、ほかは、ご当地

柚子は、70本のうち41本に入っていました。つくっているメーカーは、高知や徳島から東京まで18の都府県。香りがわかりやすく、ほかの柑橘とも合わせやすい。ぽん酢の柑橘の中では、文句なしの全国区です。

いっぽう、かぼすは大分と九州北部、シークワーサーはほぼ沖縄、じゃばらは和歌山の北山村だけ。すだちは徳島の名産として知られる柑橘で、図鑑でも徳島や瀬戸内の蔵のぽん酢に多く入っていました。ぽん酢も、その柑橘が育つ場所の近くでつくられている。考えてみれば、自然な話です。

だいだい(橙)は、福岡・山口・広島・和歌山・愛媛と、西日本に広く分かれました。正月飾りでおなじみの、酸味の強い柑橘です。ふぐの店や、水炊きの店のぽん酢に使われているのも目につきました。

そして、和歌山県北山村のじゃばら。ほとんどこの村でしか育たないといわれる柑橘で、図鑑には、そのじゃばらのぽん酢が2本あります。地図の上で、いちばん小さな点です。

3本に1本は、柑橘を合わせていた

原材料を読んでいちばん意外だったのは、柑橘を1種類だけでなく、何種類も合わせたぽん酢が多いことでした。70本のうち23本が2種類以上、8本が3種類以上。いちばん多いのは、かぼす・ゆず・日向夏・だいだい・夏みかんの5種類を合わせた一本でした。徳島の「すだち・ゆこう・ゆず」のように、産地の柑橘を3つそろえたものもあります。

柑橘の種類が書いていない、2本

2本は、原材料表示から柑橘の種類が分かりませんでした。ひとつは、表示が「かんきつ果汁」までの定番、味ぽん。もうひとつは、柑橘ではなく紫蘇(しそ)で香りをつけた、岩手のめずらしいぽんずです。ぽん酢の「ぽん」が柑橘の果汁のことだとすれば、紫蘇のぽんずは、ちょっとした反逆児かもしれません。

地図ができたら、あとは食べるだけ

産地で選ぶのも、ぽん酢の楽しみ方のひとつです。旅先のすだち、出張先のかぼす。小皿の酸っぱさには、住所があります。

ここまで書いておいて、まだ一本も食べていません。次は、この地図を一本ずつ、食べてまわります。

柑橘で、図鑑を見る

出典:図鑑のデータ:楽天市場 商品検索API(2026年11月3〜4日取得)の原材料表示をもとに、編集部が整理